い 家

いい家に住んでいると自負している。

センスだけは抜群にいい母がこだわっているのだから当たり前なのだけど。

友人の家の写真を見せられてギョッとする。

みんなそんなこだわりのない家に住んでいるのかと。

ものが多くてもいいからセンスが良く自分の気に入った家具に囲まれて生活したくないのかと。

小さい頃からの夢はフォルクスワーゲンのビートルに乗ることと自分の家を持つこと。物に執着してしまう。

高校の頃の夢はセンスのいい建築家と結婚して思い通りに家を建ててもらうこと。

ある人は『カーサ・ブルータス』みたいな家に住んでるねと言った。 さすがやっぱりすごい家に住んでるねとも。

見せなきゃいいこと秘密にしておけばいいことはたくさんある。

見せたことで自分はこれと同等かそれ以上のものを私に与えられないと思うらしい。思い上がらないでほしい。

私は私自身で稼いだお金で家も建てるし車も買うし旅行に行くし欲しいものを買うのを楽しみに生きているのに。

けやき通りを筒(図面入れ)をからって颯爽と走り抜けるステキな人を見た高校時代から家への執着はより大きくなっているのである。